施工例 41

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吉野ウッドプロダクト 吉野杉木桶

 日本の木文化の素晴らしさと、吉野林業の歴史を再発信するべく、吉野杉の木桶復活を目指し、
吉野ウッドプロダクトの一員として、醸造仕込み用大樽製作に取り組みました。
■吉野ウッドプロダクト http://yoshinostyle.com/index.html
 吉野林業の起源は、主に桶・樽の材料を生産する『樽丸林業』として発祥した林業でした。

 樽丸とは樽の側板になる材料で、年輪にあわせて削った曲面のついた板材です



 そこで私たちは、林業家で吉野町議員でもある中井章太さんを中心に、2010年4月に「吉野ウッドプロダクト・木のある暮らしを物語る協議会」を立ち上げ、吉野で木桶仕込みの日本酒を作る事を大きな目標として、活動を開始しました。

 吉野で、吉野杉で作った桶で、吉野の杜氏が、吉野の水で仕込む。“吉野流”の日本酒を目指します。



  桶製作は、大阪・堺市の株式会社ウッドワーク(藤井製桶所)さんにお願いする事にしました。
 仕込み用の大桶を製作できる今や日本でも数少ない桶屋さんです。

 弊社で行われた原材料の選定作業の一辺からでも、桶造りのとてつもない奥深さを感じました。



 日本酒用の樽・桶に適した杉材の特徴は、 もちろん通直でアテや曲がり等の無い物であるのは前提で、年輪幅が1〜2mm程度で、白太と赤身の中間の白線帯が有る事。そして赤身の色合いが淡い物です。

 こういった厳正な材料の選定から始まり、100年を超える耐久性を持たせた桶造りを実現できるのです。

 桶職人の技は、日本の木の文化のかたまりです。
  木桶の寿命は、日本酒で20〜30年、その後、醤油や味噌造りで100年以上使われていくことになるそうです。

 新たに生まれたこの木桶が、これから刻んでいく100年以上の歴史の中の記念すべき1年目。 最初の3年くらいは日本酒に木香(きが)が乗りやすいといいます。まさに今年だけの味わいです。
 さまざまな想いが込められた木桶が、優しくゆっくりと日本酒を醸し出しています。
 日本の酒文化・木文化が集約されているような光景です。


■美吉野醸造さんの木桶仕込み復活までの軌跡
http://www.hanatomoe.com/product_hyakusugi/hyakusugi_start.html
    そして吉野で60年ぶりに、山廃仕込み純米酒が『百年杉 木桶仕込み』として復活しました。
 完成してみて、想定していた物より良い意味で裏切られ関係者一同驚かされました。新造した杉桶での初仕込みでは、木香がきつくなり、渋みの赤色が着くと思われていたのですが、穏やかで上品な木香が感じられるお酒になり、さらに色が全然赤くならなかったのです。 これはまさに、吉野杉が樽や桶に最適である事を証明した形になりました。

 これから百年使われるであろう吉野杉桶で仕込まれた一年目の日本酒、ぜひ一度御賞味ください。
製造・販売元 美吉野醸造株式会社
http://www.hanatomoe.com/index.html

奈良県産材の吉野杉・吉野桧のご用命がございましたら、当社までお問合せください。
JAS認定工場 
吉野中央木材株式会社 
TEL 0746-32-2181  FAX 0746-32-2863
〒639-3118 奈良県吉野郡吉野町橋屋57

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