吉野桧フローリングの床暖房実験 1

弊社オリジナル製作の吉野桧フローリングを床暖房へ使用した場合どうなるか?を、独自に実験してみました。
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 最近、「吉野桧のフローリングの良さを知り、ぜひ新築・改築の際には敷設したいが、床暖房には対応できるのだろうか? 天然無垢材なので、床暖房専用品のようにはいかない事は承知しているが、大きな問題がなければ使用したい。」というお問い合せが多数寄せられるようになり、そこで弊社独自に実験・研究に取り組み、検証してみました。

1-材料の準備

 実験には、弊社でオリジナル製作している桧フローリングの既製品を用いています。 同じ国産桧でも産地により性質の個性があり、製材方法・乾燥方法・保管方法等によっても、製品の特性は変わってきますので、あくまで弊社で製作した『吉野桧フローリング』での実験となります。
 弊社製『吉野桧フローリング
(厚17.3o×働巾110o 本実加工)を、長さ75pで6枚1組×2セット分用意し、それを恒温恒湿器にて含水率11%材セットと14%材セットの2種に調湿し分けてから、大工さんに根太と巾木で通常の床工事の方法で組み上げてもらい、左写真のような試験体を2組製作しました。
 この試験体は杉材の“根太(42o角)”と桧の“巾木”で組み、根太とフローリングの接着には、水性アクリル樹脂接着剤(コニシネダボンドR)を塗布の上、長さ35oのステープル(マックスステープル938Tフロア)を凸実側から根太に打ち込んで固定しました。 右写真ステープルの赤い部分は特殊な接着剤になっており、タッカーで打ち込んだ際、木材にかなりの強度で固着されます。 もちろん“根太・巾木”とも弊社で用意した吉野材です。

2-実験方法

 送風乾燥器内に床試験体を入れ、40℃で7日間、続いて55℃で4日間置き、1〜2日ごとに、右イラストの赤丸印で示す『すき間測定位置』で、フローリング材の幅の反り(カップの深さ)と、フローリング間のすき間をすき間ゲージにより測定しました。
 さらに恒温恒湿器を用いて、同試験体を33℃で相対湿度が88%の条件下で吸湿させ(文献値による平衡含水率:約19%)、同様に“カップの深さ”と“フローリング間目地のすき間”の変化と、フローリング材の膨潤によって巾木が押されることによる“巾木と根太とのすき間”を測定しました。
 木材の板は、基本的に幅の両端が表側に向って反ります。 よって上イラストの“カップ深さ”が現れます。 このカップの深さは同じ反りの度合いでも、幅の広さにともない比例していくので、幅が同じ寸法である材での比較が前提です。 今回の実験の場合は、弊社桧フローリング既製品ですので、幅110oでの比較となります。
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